シップナース〜船の保健室で働く看護師〜

看護師といえば医療施設や福祉施設で働くということが広く認知されていましたが、最近では企業や教育機関の医務室、保健室での勤務に加えイベントナース、ツアーナースといった仕事も少しずつ知られてきています。これらは医療業界に身を置く人には昔からよく知られている仕事ですが、最近では求人サイトなどにも情報が掲載されることがあり、知られるようになってきました。人間は誰でも体調を崩したり、病気になることがあります。そうした事態に備えて看護師としての知識や技術があれば、さまざまな場所で働くことができるのです。趣味を兼ねてイベントナースやツアーナースを選ぶという人もいますが、そのほかに「シップナース」という働き方もあります。

 

シップナースはその名の通り、長期間にわたって航行している客船などに設置されている医務室や保健室で、看護師として働く仕事です。船医とともに乗客だけでなく乗組員の健康状態も管理し、病気や体調不良に対して適切な処置を行うことが求められます。とはいえ、病院であればあって当たり前の設備でも、船上では限られたものしかありませんから、症状から原因を判断しなければならないというケースもあります。学校の保健室と同程度の設備や備品しかないという場合もあり、トラブルなどによっては別の道具や材料を使って医療道具の代わりにする必要もあります。船内で対応することができない場合には、最寄の港に入港して病院に搬送するなどといったような緊急時の判断も迫られるため、現場での判断力や対応力が何よりも必要とされます。

 

日本だけでなく世界中を回ることもあり、ある程度の語学力やさまざまな医療知識が必要とされますから、常に知識を蓄えて技術も磨く必要があります。医師や看護師は少人数で役割を果たさなければならないため、求人のほとんどでは豊富な経験を持っていて技術もある人が望まれています。また、柔軟に対応することのできる力も求められます。知識や技術にある程度の自信があって、限られた条件下で働くイベントナースやツアーナースなどの経験を積んでいるのであれば、シップナースの求人に応募してあらたな経験をすることもできるでしょう。

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